ウォーターベッドとは
母の胎内と上質な眠り
より良い眠りの条件は、頭脳が休息するノンレム期の睡眠をいかに多くとるかで、
そのためには睡眠中のあらゆる刺激を遠ざけることがカギとなります。
安定した環境の中で 、体が自然な眠りのリズムに乗って解放される…
そう、上質な眠りは、母の胎内に浮かんでいるイメージです。
では、理想的な睡眠環境を邪魔するものは何でしょう? それは地球の重力といわれています。
水がもたらす快適な睡眠
もともと人間の体には凹凸があります。
重力がかかる中で、体を硬いマットレスで支えれば、
どうしても血行が妨げられ、
体に刺激を与え、寝心地が悪くなります。
ところが、逆に柔らかすぎると体の重い部分だけが沈み、
背骨は不自然なカーブを描きます。
この問題をいとも簡単にクリアしたのが“水の力”なのです。
ウォーターベッドは、
「閉じ込められた液体の一部に加えられた圧力は、
全体に均等に伝わる」という“パスカルの原理”により、
重い腰の部分が沈み込むこともなく、背骨は自然なカーブを描き、
人体を凸凹に保ったまま各部を同じ力で支えることにより、
快適な深い睡眠を得られるのです。
ウォーターベッドとスプリングベッドの違い
ベッドといえばスプリングベッドが一般的ですが、
ウォーターベッドとスプリングベッドでは、体を支える原理が違います。
スプリングベッドはその反発力によって体を支えますが、
ウォーターベッドは水の浮力で体を支えます。
重力に対し“浮力”を利用して、より人の体を柔らかく、しっかりと支え、
快眠を作り出すのがウォーターベッドです 。
ウォーターベッドをスプリングベッドと比較したときに、
もう一つ忘れてはならないことがあります。それが“寝床内気象”です。
ウォーターベッドの大きな特徴は、四季を通して快適に過ごすことができる点です。
ヒーターによって水温を一定に保つことができますので、
ベッドに入った瞬間から快適さを得ることができます。
電気毛布などのように温度が頻繁に変化するものとは異なり、
一度設定した温度に達すれば、急激な気温の変化にもほとんど影響は受けません。
また、エアコンや電気毛布などを使用するとどうしても避けられない肌の乾燥も、
大きな湯たんぽのようなウォーターベッドでは、ほとんど心配ありません。
ウォーターベッドの種類
ウォーターベッドの種類には「ハードサイド」と「ソフトサイド」があります。
ハードサイド
ハードサイドの製品一覧へソフトサイド
ソフトサイドの製品一覧へウォーターベッドの歴史
ウォーターベッドのルーツは
砂漠の民の快適ベッドだったウォーターベッドは、近代的な科学の力が応用されていながら、
ルーツは非常に古く、その歴史の過程に世界の国々が関係しています。
最初に水の上で眠ったのは、飲料水を入れたヤギの皮袋の上に眠った
アラブの砂漠の民だと言われています。
このアイデアに科学的な視点で注目し、その効果を評価したのは
1873年、イギリスの病院でした。
当時のウォーターベッドは、木枠の中に水を入れた袋を詰めたもので、
温度調節も、揺れ防止対策もなされていませんでした。
しかし、その効果は高く評価され、
近代的なウォーターベッドの開発のスタートラインとなりました。
その後、ウェルネス(※)への関心の高まりを背景に、
主としてアメリカで改良が行われていきました。
※世界保健機関(WHO)が国際的に提示した、「健康」の定義をより踏み込んで、
そして広範囲な視点から見た健康観のこと。
長い歴史のなかで、さまざまな研究が重ねられて…
1854年には、ウォーターベッドの最初の広告がロンドンの新聞に掲載され、寝心地の良さや、また、多くの病人の世話をするのに便利であると書かれています。
また、同じく1878年にはチューブをつないだマットレスが広告として掲載されています。
1800年代末のイギリスは、全国的に数年もの間、大変な飢餓に襲われ、 多くの人々がアメリカへと移住しました。この頃からイギリスで発明されたチューブタイプのバッグがアメリカに伝わり、イギリス・アメリカの医師達 によって研究が進められたのではないかと思われます。
1970年~1980年代には、アメリカのシリコンバレーで、IC研究と共にウォーターベッドの研究が続けられました。
その後、スタンフォード大学の研究メンバー達により、未熟児の全身治療に、ウォーターベッドが抜群の効果を発揮することが実証されました。
スタンフォード大学は、ウォーターベッドの研究開発では、世界的にも有名な大学となっています。
ウォーターベッドのアイデアはすでに100年前から存在します。
その優れた特長が注目され、改良が行なわれ、
今日の完成度の高いウォーターベッドが誕生しました。
現代人の眠りを変えるとまでいわれるウォーターベッドの快適さは、
100年の熟成に支えられているのです。